Cave de Uのワイン会でオレンジワインをご提供したとき、グラスに注がれた琥珀色のワインを前に、「何色?」と驚かれる方が続きました。
でも一口飲んでいただくと、「複雑で、こんなワインがあるんですね」と目が変わります。難しそう、個性的すぎると思われがちなオレンジワインですが、知れば知るほどその懐の深さに引き込まれます。
オレンジワインとは何か
オレンジワインとは、白ブドウを果皮(果皮・種・場合によって梗)ごと一緒に発酵・熟成させた白ワインのことです。果皮に含まれる色素とタンニンが液体に溶け出すことで、オレンジがかった琥珀色になります。「アンバーワイン(Amber Wine)」とも呼ばれます。
その歴史は非常に古く、現在のジョージア(旧グルジア)で数千年前から続く伝統的なワイン醸造法に起源があります。ジョージアの伝統容器「クヴェヴリ(Qvevri)」と呼ばれる素焼きの陶器に白ブドウを皮ごと入れ、地中に埋めて発酵・熟成させる——この醸造法が現代のオレンジワインの直接のルーツです。
なぜオレンジ色になるのか
白ブドウの果皮には「アントシアニン」という色素が含まれています。赤ブドウほど多くはありませんが、皮ごと仕込む「スキンコンタクト(醸し)」を行うことで、液体に色素とタンニンが移ります。その結果、透明に近い白ワインとは異なる、琥珀〜オレンジ色のワインが生まれます。醸し期間が長いほど色は深くなり、タンニンも豊かになります。
赤・白・ロゼとの違い
ワインの4色と製法の関係を整理すると、オレンジワインの位置づけが明確になります。
| 種類 | 使うブドウ | 醸し(スキンコンタクト) |
|---|---|---|
| 白ワイン | 白品種 | なし(果汁のみ発酵) |
| オレンジワイン | 白品種 | あり |
| ロゼワイン | 赤品種 | 短時間のみ |
| 赤ワイン | 赤品種 | あり |
白ワインとの違い:使うブドウは同じ白品種でも、果皮ごと発酵させる「スキンコンタクト」の有無が最大の違いです。通常の白ワインは果汁だけを発酵させますが、オレンジワインは皮や種も一緒に発酵させます。
赤ワインとの違い:赤ワインも果皮ごと発酵させますが、使うのは赤(黒)品種。オレンジワインは白品種を使う点が異なります。
ロゼワインとの違い:ロゼは赤品種を使い、短時間だけ皮と接触させてピンク色を出します。オレンジワインは白品種を使い、より長期間の醸しを行います。
オレンジワインは「タンニンを持つ白ワイン」という独特な位置づけを持ちます。白ワインの酸やアロマを持ちながら、赤ワインのような骨格感があるのが最大の特徴です。

オレンジワインの味わいの特徴
オレンジワインの味わいは、白ワインと赤ワインの中間に位置します。
白ワインの要素:柑橘、桃、アプリコットなど白品種由来のフルーティな香り。
赤ワイン的な要素:タンニン由来のしっかりとした構造感と、ドライでスパイシーなテクスチャー。
独特のニュアンス:醸し・熟成を経ることで生まれる、ナッツ、蜂蜜、ドライアプリコット、紅茶のような酸化的なアロマが加わります。
一口で言えば、「複雑で、食事の邪魔をしない白」——それがオレンジワインです。
ただし、個性の幅は広いです。醸し期間が数日のものはフレッシュ感が残り、ほんのり色づいた程度の飲みやすいスタイル。数ヶ月〜数年のものは深い琥珀色と複雑なタンニンを持ちます。初めての方には醸し期間が短めの、フレッシュ感を残したスタイルから試すのがおすすめです。

オレンジワインの作り方
オレンジワインの製造工程の中核は**スキンコンタクト(醸し)**と呼ばれる工程です。
白ブドウを収穫し、果皮・種・場合によって梗(茎)ごと発酵容器に入れます。アルコール発酵が始まると、発酵熱と液体の動きによって果皮からタンニン・色素・アロマが溶け出します。この醸し期間が数日〜数ヶ月と生産者によって大きく異なり、ワインの色、タンニン、複雑さに直結します。
アンフォラでの醸造
近年のオレンジワインムーブメントで注目される容器が、粘土製のアンフォラ(ジョージアでは「クヴェヴリ」と呼ばれる)です。オーク樽とは異なり、素焼きの粘土はワインに微量の酸素を通しながら、木の香りを与えません。土(テロワール)をダイレクトにワインに伝える「ピュアな酸化熟成容器」として、自然派の生産者から支持されています。
無清澄・無濾過・無添加
オレンジワインには無清澄・無濾過・無添加(亜硫酸無添加または最低限の添加)のものが多いのは、この醸造スタイルが自然派ワインの哲学と密接に結びついているからです。果皮のタンニンが天然の安定剤として機能するため、亜硫酸の添加を最小限に抑えやすい側面もあります。

▲アンフォラタンク
ニュージーランドのオレンジワイン
ニュージーランドのワイン界では、2010年代以降に自然派ワインのムーブメントが急速に広がりました。無農薬・有機栽培、自然酵母発酵、無添加・無濾過といった手法を取り入れる生産者が、マールボロを中心に増えています。
NZのオレンジワインの特徴のひとつは、ジョージアやイタリアのオレンジワインと比べてフレッシュ感を残したスタイルが多いことです。NZの冷涼な気候が持つ自然な酸が、長期の醸しを経ても生き生きとした輪郭を保ちます。
ソーヴィニヨン・ブランやピノ・グリをオレンジワインに仕上げる生産者が増えているのもNZならではです。SBは通常のフレッシュなスタイルとは全く異なる複雑な表情を見せ、ピノ・グリはアプリコットとスパイスが豊かに開きます。
Cave de Uが取り扱うオレンジワインは、いずれもこのNZの自然派ムーブメントを代表する生産者のものです。
オレンジワインに合う料理
タンニンを持ちながらもフルーティで複雑なオレンジワインは、食事との相性が非常に幅広いのが魅力です。
スパイスを使った料理との相性は抜群です。インドカレー、タイ料理、ベトナムのフォー——スパイスの香りとオレンジワインの複雑なアロマが共鳴します。辛さに負けず、スパイスを引き立てる懐の深さがあります。
発酵食品との相性も際立ちます。味噌、醤油、酢、ナンプラー——こうした「旨味の深い発酵食品」に、オレンジワインのタンニンと酸化的なニュアンスがよく合います。ブルーチーズやウォッシュタイプの個性的なチーズとのペアリングも定番です。
和食全般とも高い親和性を持ちます。煮物、焼き魚、天ぷら、刺身——和食の持つ「旨味とだしの奥行き」が、オレンジワインの複雑さと自然に寄り添います。「白ワインでは少し物足りないけれど、赤ワインでは重い」という和食の悩みを解決してくれるのがオレンジワインです。
中華・韓国料理にも合います。八角や花椒を使った中華の香辛料、キムチや発酵唐辛子を使う韓国料理——オレンジワインのスパイシーな個性が負けずに渡り合います。

オレンジワインの楽しみ方
オレンジワインを最大限に楽しむための3つのポイントです。
適温は12〜15℃:通常の白ワインより少し高めの温度帯で飲むと、複雑な香りが開きます。冷蔵庫から出してすぐではなく、10〜15分ほど置いてから飲み始めるのがおすすめです。
大きめのグラスを使う:オレンジワインはボルドー型やブルゴーニュ型の大きめのグラスで飲むと、香りが広がりやすいです。ワインの複雑な香りを一口ごとに楽しむのが醍醐味です。
開けてすぐより時間を置く:タンニンを持つオレンジワインは、開栓直後より30分〜1時間ほど時間を置いた方が香りや味わいが開いてくることが多いです。デカンタに移すとさらに効果的です。
Cave de U で取り扱うオレンジワイン
Cave de Uが自信を持っておすすめするオレンジワイン6本をご紹介します。
ア・サウザンド・ゴッズ ギアラ 2022
アンフォラで7ヶ月間マセレーション(醸し)を行い、無濾過・無清澄・無添加で仕上げたオレンジワイン。ジョージアの伝統製法に最も忠実なスタイルで、深い琥珀色とドライアプリコット、ナッツのような複雑な風味が広がります。Cave de Uのオレンジワインの中でも最も個性的な一本です。
ア・サウザンド・ゴッズ ブラン 2023
5日間のスキンコンタクトを行い、古樽で11ヶ月熟成。The Real Review 2025 ホワイトワイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した実力派です。ギアラに比べてフレッシュ感が強く、オレンジワイン入門としても非常におすすめの一本。花の香りと果実感が心地よく、初めての方でも飲みやすいスタイルです。
ア・サウザンド・ゴッズ ラブレター 2021
ピノ・ノワール55%、ヴィオニエ35%、ソーヴィニヨン・ブラン10%というユニークなブレンド。「クリスタルのようなテクスチャー」と表現されるなめらかで透明感のある口当たりが特徴です。3品種の個性がひとつのハーモニーとなった、複雑でありながら親しみやすい一本です。
グリーンソングス アンバー ピノグリ 2021
ピノ・グリ100%を20日間スキンコンタクト。その後フレンチ古樽で100%マロラクティック発酵と3ヶ月の樽熟成を行います。ピノ・グリらしいアプリコットとスパイスの香りが、醸しによってさらに深みを増します。アンバーワインとしての完成度が高く、和食との相性も特に優秀です。
ヴァンダル ゴンゾー レジスタンス ソーヴィニヨンブラン 2022
樹齢35年の自根ソーヴィニヨン・ブランを、全房マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸透法)と100%マロラクティック発酵で醸造。自然酵母のみを使い、古樽でシュール・リー熟成。無濾過・無清澄で仕上げたNZらしい自然派オレンジワインです。SBらしいフレッシュ感を残しながら、醸しによって生まれた複雑なテクスチャーが特徴です。
トゥーリバーズ サンモール ソーヴィニヨンブラン 2022
自然酵母のみで発酵させ、コンクリートエッグタンクとアンフォラだけを使い14ヶ月熟成。さらに瓶詰め後に最低2年の瓶内熟成を経てリリースされるという、非常に手の込んだ造りです。時間をかけて醸成された深みと、NZソーヴィニヨン・ブランらしいハーブの香りが共存する、唯一無二のスタイルです。
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Cave de Uで取り扱い中のオレンジ・アンバーワイン全ラインナップ。
— A THOUSAND GODS —
— GREEN SONGS / VANDAL / TWO RIVERS —








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