2026年9月18日、東京・銀座。ニュージーランドワインと日本の創作料理を組み合わせるというコンセプトで知られるアロッサ銀座で、ボールド・ヒルズのランチョンセミナーが開かれました。
ヴィディカルチャリスト(葡萄栽培家)のゲイリー・クラブ氏が語るワイナリーの物語と並んで、この日のもうひとつの主役は、アロッサのシェフが手がけたコース料理です。それぞれの皿にボールド・ヒルズのワインが寄り添い、料理とワインが互いの魅力を引き出すペアリングの妙が体験できました。
この記事は、そのランチョンセミナーの全コース記録です。
関連記事:
→ 気候変動は、ピノ・ノワールをどう変えるのか——ボールド・ヒルズが問いかける、未来のワインの姿
→ 元銀行エコノミストが、ワイナリーで夢を見つけた——ゲイリー・クラブ氏が語るボールド・ヒルズのいまと未来
アミューズ:グラスフェットバターのプチシューとピノ・グリ
最初に運ばれてきたのは、自家製のプチシュー。中には、牧草だけで育てた牛のミルクからつくられたグラスフェットバターを塩で仕上げたタブレットが忍ばせてあり、さらにセミドライに仕上げた自家製デーツがアクセントとして加えられています。
手でそのままつまんで食べるこのアミューズに合わせたのは、ボールド・ヒルズのピノ・グリ。バターのリッチなコクと、デーツのほのかな甘みを、ピノ・グリの果実味がやさしく受け止めます。
シューのサクッとした食感が、グラスフェッドバターの甘みや旨味とよく絡み合い、その旨味がまたピノ・グリによって何層にも絡み合う、そんなとても美しいペアリングでした。

一皿目:モッツァレラと白桃、枝豆のサラダとピノ・グリ
続いて登場した一皿目は、モッツァレラチーズをメインに、旬の白桃と枝豆を合わせ、トマトのビネグレットで仕上げたサラダ仕立ての一品。
このお料理に寄り添ったのも、アミューズと同様にボールド・ヒルズのピノ・グリ。
「このお料理と合わせるには、ちょっと厚みのあるスタイルが合う」とソムリエが説明したとおり、モッツァレラのミルキーな質感と、ピノ・グリの豊かなテクスチャーが見事に呼応します。
白桃の甘みとトマトのビネグレットの酸がピノ・グリのフレッシュな果実感とリンクし、夏から秋へと移り変わる季節を感じさせる一皿でした。

二皿目:茨城産ガチョウのもも肉とブラン・ド・ピノ・ノワール
セミナーの中盤、ひときわ存在感を放ったのが二皿目のガチョウ料理です。
使われたのは茨城県産のガチョウ——表面だけ火を通した、ほぼ生に近いやわらかなもも肉。鉄分とミネラルが豊富で、上品な赤みと脂身の少なさが特徴です。
下には香草のソース、上には山形の郷土料理「だし」をアレンジしたタスマニアのペッパーベリーを効かせた黒みそ(自家製醤油漬け)をのせ、仕上げにニュージーランド産のチーズをパルミジャーノ状に削ってふりかけます。それぞれが味の変化を生み出し、一皿の中でいくつもの発見が楽しめる構成でした。
このお料理には、ブラン・ド・ピノ・ノワールとピノ・グリが合わせて提供されました。「ガチョウの厚みに、ブラン・ド・ノワールは決して負けない」とソムリエ。
チーズとの相性も抜群で、ピノ・ノワールの果実感とブラン・ド・ノワールの張りのある酸が、それぞれ異なる角度でこの一皿と向き合います。

野菜料理:旬の唐辛子ローストとアイオリ
メインの前に登場したのは、契約農家から届いた旬の野菜のロースト。この日使われたのは、フィレンツェ唐辛子と万願寺唐辛子の2種類。
「農家さんが愛情込めて育てた野菜は、そのままでも十分においしい」とソムリエは言います。シンプルなローストに、ベースのアイオリソース、バジルのソース、そして仕上げにオレンジの皮をすりおろして香りをまとわせた、非常に繊細な一皿です。
このお料理は、ピノ・グリとブラン・ド・ピノ・ノワールのどちらとも相性の良い料理として選ばれました。アイオリのまろやかさはピノ・グリの果実味と、オレンジのアロマはブラン・ド・ノワールの爽やかさと、それぞれ異なる楽しさを生み出します。
これはどちらのワインで合わせても甲乙つけがたい、素晴らしいマリアージュだったと思います。

メイン:NZグレーフェッドビーフとピノ・ノワール2種の飲み比べ
コースのしめくくりは、ニュージーランド産グラスフェッドビーフ(穀物牛)。広大な牧草地で放牧され、牧草(グラス)のみを食べて育った牛肉のことで、ニュージーランドではよくこの手法で飼育されています。
こちらのお料理は、玉ねぎをオーブンでじっくりと焼き上げ、旨みと甘みを最大限に引き出したソースに、少量の塩・水・ビネガーを加えたシンプルな構成。契約農家の野菜とグリーンが添えられ、素材の力を信じた、端正な一皿です。

この日のメインには、サプライズが用意されていました。同じボールド・ヒルズのピノ・ノワールを、2時間前にデカンタした一本と直前にデカンタした一本の2種類で同時に提供するという試み。
これは、事前にボールド・ヒルズのピノ・ノワールをテイスティングしたアロッサ銀座店のソムリエが、「デカンタ時間の違いで、ここまで深みが変わるんだということを感じてほしかった」ということで、ゲイリー氏にもサプライズで振舞われました。

——同じワインでも、空気との触れ合い方によって、香りと味わいがどう変わるか。ゲイリー氏と共に、それぞれの変化を語り合う時間となりました。
関連記事:
→ 気候変動は、ピノ・ノワールをどう変えるのか——ボールド・ヒルズが問いかける、未来のワインの姿
→ 元銀行エコノミストが、ワイナリーで夢を見つけた——ゲイリー・クラブ氏が語るボールド・ヒルズのいまと未来
ボールド・ヒルズのワインを購入する
ランチョンセミナーで楽しんだワインをCave de Uでご購入いただけます。





コメント